導入事例

株式会社熊谷組様

Buildee主要3サービスとBANKEN認証機器を標準として活用
BANKEN FACEとBANKEN BLACKの併用でCCUSタッチ率を底上げ

熊谷組では現在、Buildee調整会議・労務安全・入退場管理の主要3サービスとBANKEN認証機器の利用を支店が支援する形で各現場に展開しています。このうちBANKEN認証機器にはBANKEN FACEまたはBANKEN BLACKの一方を選択するケースが多いですが、2023年着工のある現場ではCCUSタッチ率が伸び悩み、顔認証とカード認証の併用に乗り出しました。周知活動など他の施策の効果もあり、タッチ率の底上げにつながったとみています。

導入前の課題

BuildeeとBANKEN認証機器を会社として標準化
しかしCCUSタッチ率が課題に

熊谷組では近年、ダイバーシティや社員の働き方改革などの取り組みを積極的に進めています。以前にもユーザー事例(https://service.buildee.jp/customer/case/kumagai/)でご紹介したように、同社は現場の働き方改革の一環として2019年からBuildee調整会議の本格的な利用を開始しました。ルールやマニュアルなどを整備し、使い方やメリットなどを社内で周知・共有するといった工夫も功を奏して、多くの現場に利用が拡大、労働時間短縮などの効果が確認されています。

その後、同社はBuildeeの利用を拡大し、現在では3つサービスの利用が社内的な標準となっています。関西支店 建築部 品質管理グループ部長の瀧本賢治氏は、その経緯を以下のように説明します。

「私自身はもともと現場勤めだったのですが、2021年に支店勤務となって以来、現場支援業務などを担当しています。当時は社内でBuildee調整会議の利用が広がり始めた頃で、本社にはDX推進室が設置されていました。DX推進室に対応するチームを関西支店にも置くことになり、私はそこに建築部からのメンバーとして参加し、現場で用いるツールの検討などにも関わっています。その中でBuildee調整会議に続き、労務安全と入退場管理も順次、支店として推奨することになりました。Buildee労務安全は協力会社に料金が発生しない点などと、Buildee入退場管理はCCUSとの連携などのメリットを評価しました」

そして現在、関西支店ではBuildee主要3サービスの初期登録や活用について各現場へ支援を行っています。

CCUSに関しては、いくつかの認証機器を経て、現在ではBANKEN認証機器を標準としており、BANKEN FACEまたはBANKEN BLACKから選択する形で、1台分の費用を支店から出して各現場に展開しています。

「選択制ではありますが、カード忘れなどの課題がありますから、CCUSタッチ率を意識してカード認証より顔認証を採用する現場が多いです。以前、他社製の顔認証デバイスを使った現場もありましたが、コロナ禍のときに検温も同時に行えるBANKEN FACEが登場しました。そこで、現場に展開する前に支店内で検証したところ、顔の初期登録も簡単にできる点などが高く評価されて、BANKEN認証機器が標準となっていったのです」(瀧本氏)

同社は、BANKEN認証機器の運用にあたり、支店や現場ごとにCCUSタッチ率を集計しています。しかし、関西支店では他の支店に比べても数字の伸びが悪いという課題を抱えていました。設定していた目標の達成が難しいことから、2023年には現場の朝礼などを通じてCCUS認証の呼び掛けを行うこともしていたそうです。

導入の経緯

伸び悩むCCUSタッチ率の向上を図り
Buildeeに加えてBANKEN FACEの併用に

熊谷組関西支店では、タッチ率が伸び悩む背景として、Buildeeでの顔写真登録が済んでいない作業者が多いことに気付きました。
そのことについて瀧本氏は、「CCUSに登録してカードを保有していても、Buildeeでの顔写真登録ができていなければ、もちろん認証はできません。作業者が個人としてCCUS登録をしているのに、協力会社がBuildee上で作業員の顔写真登録をしておらず、顔認証できていないケースが多かったのです。他社製の顔認証デバイスに登録をした業者が、もう登録済みだと勘違いしている可能性もありました」と説明しています。

こうした状況に対し、同社は協力会社各社に改めて顔認証登録の必要性を周知するなどの施策を講じました。また、リバスタからの提案もあって、BANKEN FACEとBANKEN BLACKの併用も試してみることにしたそうです。作業者の多くはCCUSカードを保有しているため、顔認証ができなかった場合でもカードで認証してもらうことで、タッチ率の改善につなげようと考えました。

そして、その対象として選ばれたのは、プロ野球団の関連施設建築現場でした。2023年に着工したものの、タッチ率が伸び悩む現場の1つです。そこで作業所長を務める永坂潤一郎氏は、現場の特徴を次のように話しています。

「一軍のホームグラウンドに合わせた設計の二軍野球場や、屋内練習場などを建設中です。このような現場に携われるのは、私たちにとっても滅多にない機会ですし、協力会社の人たちも同様でしょう。野球ファンを中心に、ここで仕事したい、という意欲的な職人が多いと感じます」

導入効果

BANKEN FACEとBLACKを併用
周知活動と合わせタッチ率改善へ

BANKEN FACEとBANKEN BLACK併用を含むさまざまな施策を進めたところ、この球団施設建築現場のタッチ率は改善してきました。

永坂氏はその改善の理由について、「具体的にどの施策が効果をもたらしたかは断定できませんが、認証についての認知と理解が協力会社や職人たちに浸透し、登録・利用の促進につながったのだろうと考えています」と説明しています。

なお、熊谷組では具体的なタッチ率の数値を公表していませんが、本現場での直近の認証方法の利用実態は、顔認証が約8割、カード認証が2割ほどの比率とのことです。顔写真未登録の人や、顔認証への不安が拭えない人などがカード認証(BANKEN BLACK)を利用することで、CCUSタッチ率の底上げにつながった可能性は高いでしょう。支店や現場での地道な周知活動と相まって、努力や工夫が結実してきたのです。

また、BANKEN認証機器の利用が増えたことで、Buildee主要3サービスとの組み合わせによる利点も実感できるようになってきたと言います。

「皆がBANKEN認証機器を使ってくれれば、誰が現場に来ているかをBuildee入退場管理からリアルタイムに把握できます。このような情報は、まさに私が現場勤務だった頃に見たいと思っていたものです。しかも他の情報と組み合わせることで、さまざまな活用が期待できます。例えば今後は、『その日に現場に出ている有資格者一覧をBANKENサイネージに表示することが可能になる』とリバスタから聞きました。実態に即した確実性の高い一覧表になりますし、一覧表を作成して印刷・掲示する時間と手間も省けます」(瀧本氏)

今後の展望

顔認証情報に基づくデータ活用など、さらなる改良を期待

永坂氏は、顔認証に対する抵抗感が減ってくると、現場の日常的な活動にも顔認証による個人の確認を取り入れることができるのでは、と期待感を示しています。

「例えばKY活動などで、顔認証と紐付けて、誰が参加したかを確認できるようになると良いのではないかと思います。顔認証が定着してきたからこそ、そういった具体的なイメージができるようになってきたのかもしれません」

最後に、現場の作業所長ならではの観点から、BANKEN FACEに期待するさまざまな機能についても語ってくれました。

「認証だけでなく登録も、より簡単にできるようになれば、もっとタッチ率を伸ばせることでしょう。例えば、未登録の人が、その場で登録できるような機能があると、かなり効果的だと思います。また、顔認証をした本人が過去の認証結果を確認できるようになると、利用者の不安をより減らせるかもしれません。ハードウェア面でも、現場に設置する機器として耐久性や使い勝手を高めてくれるといいですね。屋外でも防雨ボックスなど使わず設置できたり、太陽電池やバッテリで外部電源不要といったシステムだと、環境や状況を選ばず使えそうです」(永坂氏)

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ユーザー概要

社名 株式会社熊谷組
URL https://www.kumagaigumi.co.jp/
事業内容 総合建設業
所在地 東京都新宿区津久戸町2番1号
創業 1898年(明治31年)/設立 1938年(昭和13年)
代表取締役社長 上田 真
資本金 301億円(2024年3月31日現在)
売上高 連結4432億円/単体3756億円(2023年度)

インタビューご担当者様

株式会社熊谷組
関西支店 建築部 作業所長
永坂 潤一郎 氏
株式会社熊谷組
関西支店 建築部 品質管理グループ部長
瀧本 賢治 氏