導入事例

鹿島建設株式会社様

現場のデジタルサイネージをBANKENサイネージに統一
優れた操作性やBuildee連携で掲示情報管理を大幅に効率化

鹿島建設では、2020年7月からBANKENサイネージの導入を開始し、現場で使うデジタルサイネージ製品としてBANKENサイネージを推奨しています。モニターやCMS(コンテンツ作成システム)の機能や使い勝手に加え、調達から保守まで現場で利用しやすいサービスである点を評価し、現場にはBANKENサイネージの利用を進めています。2024年8月時点では累計で約200台が使われ、現場では掲示する情報の管理作業の生産性が大幅に向上するなどの効果が出ています。

導入前の課題

数々のデジタルツールが欠かせない現場 支店にも建設DX推進部署を設置

「スーパーゼネコン」の一社として建設業界をリードする、鹿島建設。2024~2026年の鹿島グループ中期経営計画では、「デジタル化の推進による生産性向上・業務効率化」および「イノベーション推進による新たな価値の創出」を掲げています。こうしたデジタル化やイノベーションの取り組みは以前から行われてきたものですが、今後ますます加速させていく方針とのことです。

 「今後も、グループ全体におけるデジタル技術の活用とDX(デジタルトランスフォーメーション)の浸透、業務プロセスの刷新および新たなビジネスモデルの創出に向けた環境構築を加速していく、というのが当社の方向性です」と、鹿島建設 東京建築支店 建築工事管理部 生産推進サポートグループの南谷択氏は説明しています。

南谷氏が所属する生産推進サポートグループは、建設DXを推進し、現場事務所の業務効率化支援を担う部署です。現場事務所を設営する準備段階から関わり、現場で使うITインフラの整備や、各種ITツールの計画・導入などを支援しています。南谷氏は三十数名の社員が所属する同グループの中核として、デジタル人材の育成および管理を担っています。

「現場で使うITツールは実にさまざまですから、我々のグループでは、各メンバーが分担しつつ企画から運用まで携わります。東京建築支店は担当する現場数が多く、新規立ち上げも毎月数現場ありますが、ITツールやインフラはあらかじめ規模に応じて大まかな構成を決めてあり、これを基に所長をはじめとする現場側のメンバーと打ち合わせて細部を詰め、現場が支障なく稼働できるよう準備していくのです。ITツールの中でも重要な1つがBuildeeで、これがないと現場の業務が回せない、言うなれば現場の基幹システムのようなものだと考えています」

しかし近年、 Buildee主要3サービス をはじめ、さまざまな用途や目的に応じたITツールが利活用されていく中で、一部には課題も残っていました。その1つが、現場掲示物の課題です。

「現場の仮囲いや朝礼会場、作業員休憩所など、現場の各所に必要な掲示物は、かつて大判の紙に印刷したものをラミネート加工した上で掲示していましたが、管理も含めて多くの時間と手間がかかります。そのため、デジタルサイネージの活用を徐々に進めてペーパーレス化し、業務効率化やミス削減などを図ってきました。ところが、当時は複数社の製品が利用されており、それぞれの仕様や操作がバラバラで、混乱した状況でした」と、南谷氏は語ります。

導入の経緯

乱立状態のデジタルサイネージ一本化を図り
リバスタの提案でBANKENサイネージを採用

そのような中、新たにリバスタが提案してきたBANKENサイネージに、南谷氏らは注目しました。
「BANKENサイネージは、建設現場に最適化されたサイネージであり、CMS(コンテンツ作成システム)や通信システム、再生デバイス、屋内外モニターを含めたトータルサービスである点を評価しました。CMSは他社より操作が簡便で、Buildeeとの連携でさらに使いやすくなっています。モニターの種類も現場で使いやすそうな選択肢が用意されています」

続けて南谷氏は、「当時は買い切りかリースでないと導入できない製品が多かったのに対し、BANKENサイネージはレンタルで提供されるため、機材のやりくりに悩むことはありません。サポート窓口も、他社ではサポート窓口がモニター装置とCMSで分かれていたのが多かったのに対して、リバスタではワンストップで対応し、きちんと組織だった体制で応じてくれます。Buildeeのサポートと同じく組織としてナレッジを集約しており、的確で迅速な対応が得られます」とリバスタのBANKENサイネージにおける提供方法やサポート面も評価しています。

一方で、初期のBANKENサイネージでは鹿島建設として採用しづらい箇所もありました。それは情報セキュリティポリシーに関する点です。

「当社のセキュリティポリシーとして、クラウドサービスを利用する場合には多要素認証が必須とされています。当初、BANKENサイネージにはそれがなかったため、我々の事情を伝えたところ、リバスタは迅速に対応してくれて、当社としても採用することができました。そしてBANKENサイネージは、当社の現場で使う標準のデジタルサイネージとなったのです」

導入効果

Buildee連携など優れた使い勝手で
情報更新作業は6分の1と大幅に短縮

鹿島建設では、2020年7月頃からBANKENサイネージの利用を開始しました。2024年8月時点では、44現場で約100台のBANKENサイネージが稼働しており、累計導入台数は約200台にもなっています。これらを通じて、現場掲示物の3~4割くらいはデジタルサイネージに移行しているとのことです。

そのBANKENサイネージの導入効果について南谷氏は、以下のように語っています。

「朝礼看板や仮囲いに掲示する情報の更新作業は、手作業だと30~60分を要していたのに対し、BANKENサイネージでは5~10分と、大幅に短縮できています。大きな現場では更新する情報量も膨大となるためコンテンツ更新の専任オペレーターを配置することが多いのですが、彼らは必ずしもITや現場に熟練した人とは限りません。BANKENサイネージのCMSは他社のものより操作が簡単で、経験が浅い職員でもすぐ使いこなすことができ、効率的に作業できるのです」

南谷氏は加えて、「BuildeeとBANKENサイネージを組み合わせれば、Buildeeデータを二次利用する形で配置計画図や作業予定の更新が可能になります。サイネージ用コンテンツを別途作成する手間が省け、生産性が向上する上に、情報伝達のミスや漏れも減らすことにつながるのです。そのため、専任オペレーターだけでなく、施工管理業務に携わる現場監督や技能者の皆さんの業務率化につながっているので費用対効果が非常に高いサービスだと言えます。こうした機能のみならず、選定や調達、保守も含めて現場のニーズに合わせてトータルで最適化されているため、現場からの評価も高いです。しかも、現場の改善案を聞いて製品やサービスの改善を進めてくれるので、より一層使いやすいものになってきました」と話しています。

今後の展望

現場のITツール・インフラの拡充を進め
さらなるイノベーションの推進を

BANKENサイネージには本社・支店から現場への一括配信機能があり、本社や支店などから現場へ情報をプッシュ配信することも可能です。現時点では使っていないとのことですが、南谷氏はサイネージ運用のさらなる効率化を念頭に、その機能を利用したいと考えています。

「支店の管轄地域内でいえば、天候などの環境は広い範囲に共通する情報となります。例えば、熱中症注意情報や台風接近といった情報を支店から発信すれば、現場オペレーターの作業負担を減らすことができるかもしれません。このように、広域に配信した方が効率化できそうな情報は、他にも色々あるでしょう。今後はそれらを検討・企画し、全社的な運用をさらに推進していく予定です。配信という点では、録画映像を表示するだけでなく、『Web会議システムなどのリアルタイム配信を視聴する』といった機能も欲しいですね。朝礼看板に本社や支店から挨拶などを配信したり、現場の新規入場者に対して事務所内サイネージで注意事項を見せるなど、さまざまな使い方が考えられます」

 BANKENサイネージに限らず、南谷氏はリバスタの今後にもさまざまな期待を寄せてくれており、「現場では、気象センサーや騒音・振動計、監視カメラなど各種機材を使っていますが、これらにも以前のデジタルサイネージと同じような課題を感じることが少なくありません。BANKENシリーズとして、それらのラインアップを加えてもらえれば、我々としても導入や運用が楽になるので、リバスタが取り扱ってくれれば助かります。また、BuildeeとBANKENシリーズの連携だけでなく、他社製品を含む他のICTツールとの連携をさらに進めて、現場業務の効率化につながる環境作りを、ぜひ期待しています」と語ります。

最後に南谷氏は、BANKENサイネージの利活用を踏まえて、次のように締めています。

「現場で使うITツールやインフラは、単なる効率化というだけでなく、さらなるイノベーションにも必要なものです。鹿島建設は『進取』の精神で、スマート生産ビジョンやDXを推進し、セキュリティ対策と新技術の導入を同時に行いながら、さらにITを活用した生産性の向上を目指しています。さまざまなITツールが連携する環境は、さらなるイノベーションを推進するためにも重要なことです」

BANKENの資料請求はこちら

ユーザー概要

社名 鹿島建設株式会社
URL https://www.kajima.co.jp/
事業内容 土木・建築・不動産等
所在地 東京都港区元赤坂1-3-1
創業 1840年(天保11年)/設立 1930年(昭和5年)
代表取締役社長 天野 裕正・代表取締役会長 押味 至一
資本金 814億円余(2024年10月25日現在)
売上高 連結2兆6651億円/単体1兆5529億円(2024年3月期)

インタビューご担当者様

鹿島建設株式会社
東京建築支店 建築工事管理部 生産推進サポートグループ
南谷択氏